「初めてのエレキベースを買ったときにセットで付いてきた金具、これ何に使うの?」
「メンテナンスって大変そうだから、プロに任せたほうがいいのかな?」
「楽器をピカピカに保つにはどうしたらいいんだろう?」
こんな悩みをお抱えのエレキベースビギナーの皆さん、こんにちは。
- 好きなバンドのベーシストに憧れて
- ギターとどっちにするか迷った結果ベースを選んだ
- なんとなく直感で楽器やるならベースだと思った
など、皆さんがエレキベースを手にするまでに様々な思いやきっかけがあったことでしょう。
エレキベースの奏法や譜面の読み方などを覚えるのに夢中だと思いますが、それと同じくらい大切なことがメンテナンスです。しかし、初心者のベーシストにとっては何をどうしたらいいのかわかりませんよね。
そこでこの記事では、初心者ベーシストが習得するべきメンテナンス方法や、そもそもなぜメンテナンスをする必要があるのかを解説していきます。
自分の楽器をメンテナンスすると、より一層愛着が沸いてくるものです。エレキベース愛を深めるために、是非読んで実践していってくださいね。
なぜエレキベースの調整やメンテナンスをする必要があるのか
エレキベースのコンディションを最高の状態に維持するために、メンテナンスは必要不可欠です。メンテナンスはプロだけのものではありません。
料理人が包丁を研いだり、タクシー運転手が洗車をするのと同じように、エレキベースも定期的なメンテナンスをすることで、最大限のパフォーマンスを発揮してくれます。
料理人が包丁を研がないと包丁の切れ味が悪くなり、タクシー運転手が洗車をしないと雨風によって汚れたタクシーで、お客さんが寄り付かなくなります。
同様にメンテナンスを怠ったエレキベース汚れが目立ち、各パーツ類は劣化し、演奏性や音に影響を及ぼすのです。
つまり、ピカピカな状態を維持するため、そして演奏性や音に悪影響が出るのを未然に防ぐために、メンテナンスは必要不可欠なのです。
メンテナンスに必要な道具
メンテナンスをするには道具が必要です。楽器店で見たことはあるけど何に使うものなのかわからない…と思っていた方もいるでしょう。まずはそこから解説していきます。1つ1つは安価で購入できるものばかりなので、少しずつ揃えていくとよいでしょう。
クロス
ボディや弦、各パーツなどを拭き上げ・磨き上げするための布です。最も使用頻度が高い道具だといえます。下で紹介するポリッシュやオイルと組み合わせることで、効果を最大限に発揮します。クロスで拭くだけでもある程度綺麗になるので、まずはクロスから手に入れるのがベターです。乾拭き用、ポリッシュ・オイル用と分けて使うようにしましょう。
ポリッシュ
ボディやヘッドを磨くときに使うスプレーです。指紋や油汚れを落とし、ツヤを出してくれます。エレキベースに直接吹きかけるのではなく、クロスに少量を吹きかけて磨きましょう。注意点として、ラッカー塗装のエレキベースには使用できないものがあります。ラッカー塗装かどうかを見た目で判断するのは難しいので、楽器店などに確認しましょう。特に値段の高いエレキベースはラッカー塗装の可能性が高いので注意が必要です。
オイル
主に指板の汚れを落とし、保湿をするときに使うものです。少量をクロスに垂らし、指板に塗りこんでいきます。木材が乾燥するとヒビ割れの原因にもなってしまいます。乾燥しやすい冬は重宝するアイテムです。
研磨剤
フレットやペグなど金属部分を磨くときに使うものです。磨くことで新品のようなピカピカとした輝きを取り戻すことができます。
マスキングテープ
上で紹介した研磨剤でフレットを磨くときに、指板を保護するために使います。研磨剤で指板を磨いてしまうと、削れて傷がついてしまいますので、必ずマスキングテープも合わせて使用しましょう。
ストリングクリーナー
弦を拭き上げるときに使用するスプレーです。弦に詰まった油汚れを落とし、錆を防いでくれます。また、弦を長持ちさせる効果もあります。
ニッパー
続いて工具類です。弦を交換するときに使います。勢いよく、バチンと切っちゃいましょう。
ドライバー
工具の代名詞ともいえるドライバー。エレキベースは様々な部分がねじ止めされています。箇所によってねじのサイズも違うので、セットのものを用意しましょう。
六角レンチ
弦高の調整、ネックの調整に使います。ドライバーのように、用途に合わせていくつかのサイズがあります。間違えたサイズのもので無理矢理回すと、ねじ穴を壊してしまいますので注意しましょう。
練習後に必ずやるべきクリーニング
エレキベースを弾くとどうしても汗や皮脂の汚れがボディや金属部分に付着してしまうものです。そのまま放置してしまっては、指紋が残ったり、金属部分はくすみや錆の原因になってしまい、衛生的にも好ましくありません。5~10分ほどで済む作業なので、愛情込めてクリーニングしましょう。
ボディ、ヘッド
クロスで拭き上げるだけでもある程度の効果は期待できますが、ポリッシュを使うことで、汚れを残さず落としてツヤを出すことができます。クロスに少量を吹きかけ、愛情を込めて磨きあげます。全体を磨き終えたら、別のクロスを使い乾拭きしましょう。
弦
こちらも乾拭きだけでも効果は期待できますが、より綺麗な状態を目指すならストリングクリーナーを使って拭きあげましょう。弦は指で触り続けている部分なので、1番汚れやすい部分です。拭き上げをやる・やらないで、劣化のスピードにもかなり影響があります。エレキベースの弦は高価なので、毎日拭き上げて長持ちさせた方がお財布にも優しいです。
指板
最後に指板です。そのままの状態では拭き上げづらいので、弦を緩めてからクリーニングしていきます。オイルを少量染み込ませたクロスを使い、丁寧に拭き上げていきましょう。クリーニングが終わったら、必ずチューニングをして弦を張り戻してください。緩めたままで保管すると、ネックが反ってしまう原因になるので注意しましょう。
弦交換時にやるべきクリーニング
弦交換時は大掃除のチャンスです。弦を取り除いて裸になったエレキベース。せっかくの機会なので、普段できない部分までクリーニングしていきましょう。
研磨剤でフレットを磨き上げる
研磨剤は金属パーツを磨き上げるには効果的ですが、木材には刺激が強すぎます。フレットを磨く際は、必ずマスキングテープで指板を保護しましょう。クロスに少量の研磨剤を染み込ませ、磨き上げていきます。汗や皮脂でついてしまった黒ずみを、しっかり除去していきましょう。
つまようじを使って細かな汚れも除去
フレットの両端をよく見てみてください。おそらく黒ずんだ汚れがこびりついているのではないでしょうか。手垢が蓄積されて、普段クロスで拭きあげても取りきれていない汚れです。この汚れを除去するのには、つまようじが最も適しています。こびりついた汚れを掻き出すイメージで、しっかり除去していきましょう。
初心者でもできるエレキベースの調整
ここではブリッジ部分の微調整について2つ解説していきます。この2つの調整をすることで、演奏性や音質・音程に大きな影響が出てきます。必要不可欠な調整なので、初心者のうちからマスターしておきましょう。
弦高調整
弦の高さの調整です。ベーシストによって好みは様々ですが、演奏のしやすさを大きく左右します。
まず、ブリッジに着目してみてください。4本の弦を支えるサドルが、それぞれの弦に対して1つずつ、計4つついていますよね。弦の両脇に細い六角ねじが1本ずつついているはずです。これを六角レンチを使って回し上下させることで、弦の高さを調整することができます。ベーシストそれぞれに好みがありますが、12フレット上で2~3mm程になるように調整するのが一般的です。低すぎるとフレットによって音がビビってしまい、高すぎると弾きづらくなるでしょう。好みの高さを探ってみてください。
オクターブチューニング
開放弦でチューニングをしっかり合わせたはずなのに、フレットを押さえると音程がずれていることがあります。これを解消するのがオクターブチューニングです。
まず各弦の12フレットのハーモニクス音を鳴らし、正確な音程にチューニングします。続いて12フレットを押さえて音程を確認してみてください。ズレが生じた場合はオクターブチューニングを調整する必要があります。
オクターブチューニングは各弦のサドルを後ろから支えているねじを、プラスドライバーを用いて前後に動かし調整します。ハーモニクス音より実音が低い場合はサドルを前へ、実音が高い場合はサドルを後ろへ調整します。
オクターブチューニングは、弦高を変えた際や、弦交換した際にずれる事が多いです。しっかり確認するようにしましょう。
初心者には正直危険!プロにお願いした方がいいメンテナンス
最後に、初心者には少しレベルが高いメンテナンスを紹介します。失敗すると、愛するエレキベースに大きなダメージを与えたり、下手すると修復不可能な状態になりかねません。楽器屋さんにお願いするなど、プロの手を借りた方が無難だといえます。また、定期的に楽器屋さんにメンテナンスに出すことも、エレキベースを長く使っていくうえで大切なことです。人間だって年に1回、健康診断を受けたりしますよね。楽器屋さんは、楽器にとってのお医者さんです。素人にはない知識と技術を兼ね備えていますので、信頼できる楽器屋さんを見つけるとよいでしょう。
ネックの反りの調整
ネックはエレキベースの中で最もデリケートな部分です。一見まっすぐなように見えても、気温や湿度の影響を受けて、反りが生じてしまうのです。
確認の方法ですが、どの弦でもいいので、1フレットと最終フレットを同時に押さえます。この状態で12フレット部分の弦とフレットの隙間に着目します。シャープペンシルの芯ほどの隙間が開いていれば正常です。それ以上の隙間が開いている、もしくはほとんど隙間がないようでしたら、ネックに反りが生じています。
これを解消するにはトラスロッドを回し微調整する必要があります。デリケートな作業になるので、プロに任せた方が確実だといえるでしょう。
電装関係のトラブルの修復
突然音が出なくなったり、明らかな音痩せをしてしまった場合は、内部の配線が断線などのトラブルを起こしている可能性が高いです。シールドを交換してみて、解消されるようでしたらシールドの断線が原因です。シールドを交換しても解消されない場合は、エレキベース本体の内部がトラブルを起こしています。
こちらもはんだ付けなどデリケートな作業になるので、プロに任せた方が無難です。
まとめ
以上、エレキベースの普段のメンテナンスや調整について解説していきました。技術を磨くことはもちろん大切なことですが、その技術もエレキベース本体が万全の状態であってこそ発揮されるものです。自分の手でメンテナンスをしていくことで、自分の楽器への愛着も深まっていきます。あなたのベーシストライフをよりよいものにしていくたけに、是非参考にして実践していってくださいね。