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コントラバスの歴史と呼び方

低音を出す弦楽器の中でも、一番大きいとされているコントラバス。
約2mもあるその大きさに目を惹かれる人も多いのではないでしょうか。

この大きな楽器の始まりはいつからなのしょうか?

今回はコントラバスの魅力とその歴史について書いていきます。

目次

コントラバスってどんな楽器?

コントラというのは「特別低い」という意味となります。

特別に低いバス=低音域を持つベースということになり、4本・5本の弦を持つ大型の弦楽器のことをコントラバスと言います。約170cm〜200cmの大きなサイズの楽器ですので、通常は立ったまま演奏します。ですが、長い曲を弾く時は演奏者の負担を減らすために高い椅子を使用する場合もあります。

またコントラバスの楽譜はへ音記号であらわされますが、楽譜で示されている音よりも、1オクターブ低い音がでます。
低音のため、通常のヘ音記号楽譜で表すには楽譜が読み辛くなってしまう為です。

通常の旋律の倍低い音を出すことで、演奏により深みを与えてくれることがコントラバスの魅力の1つです。

コントラバスの呼び方

音楽の演奏方ややジャンルによってアコースティックベース・ウッドベースなどの呼び方が存在します。
実は呼び方が違うだけで全て同じ楽器なのです。

ジャンルによって変わるコントラバスの呼び方と、それぞれの魅力について説明していきます。

クラシック

コントラバスが演奏されてきて歴史の中で一番古いものが、クラシックとなります。

クラシックにおいてはコントラバスやダブルベースと呼ばれております。

古い時代の曲ですと、チェロと同じ音をそのまま1オクターブ下で演奏することがあります。その場合、チェロよりも更にオクターブを演奏する事から「ダブルベース」と呼ばれております。クラシックの場合は大きい空洞をゆらがす生音で演奏するのも魅力の一つです。

ジャズ

ジャズの場合はエレキベースと差別をするためにウッドベースと呼ばるれることが多いです。クラシックで使われるコントラバスと同じ楽器ですが、奏法が少異なります。弓を使わずに指ではじいて演奏するピッチカートという奏法がメインとなっております。クラシックのような全体を支える音よりも、リズムにのった柔らかな重低音が特徴です。また、生音以外にサイレントベース、アップライトベースと呼ばれる、アンプを使用するエレキバージジョンの楽器を使うこともあります。

ロカビリー

また50年代のオールディーズ音楽のロカビリーのシーンでも見かけます。こちらも弦を使わずに演奏しますが、ピッチカートとは少し演奏法が異なるスラップ奏法という叩きつけるような特殊な演奏法をつかいます。またバンドとしての演奏になりますので、ステッカーを貼ったり見た目にも傷だらけのペイントをしているような楽器もあります。
クラシックの場合、弦からの振動の響きに影響があるのでステッカーやペイントはタブーと考えらえれてますが、このようなボディの大きさを生かしたビジュアルのかっこよさを活かせるのもコントラバスの魅力の1つです、

コントラバスはいつからあったの?

このように他ジャンルで大活躍のコントラバスですが、いつから演奏されていたのでしょうか?

今から300年ほど前、バッハやヘンデルが生きていた時代からオーケストラの中でコントラバスは活動してました。

コントラバスの始まりははっきりとわかっておりませんが、16世紀にあったヴィオル

という楽器が祖先となっており、発展したと考えられてます。

また17世紀に成立した吹奏楽のスタイルも、最初はチューバではなくコントラバスが低音を担っていました。

ここで先祖のお話をしましょう。

クラシック弦楽器の中ではバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスがあります。
その中で唯一祖先が異なるのがコントラバスです。

バイオリン・ビオラ・チェロはヴァイオリン属ですが、コントラバスはヴィオラ・ダ・ガンバ属という別の楽器をルーツにしております。

実はヴァイオリン属よりもヴィオラダガンバ属の方が歴史は長いのです。

最初の頃は弦の本数も3本から6本までと一定ではありませんでした。
大きさもチェロと変わらないものもあり、様々な種類がありました。

バイオリンやチェロは胴の形が丸くなっておりますがコントラバスは
胴の形が、なで肩になっております。こちらもヴィオラダガンバ属の特徴の1つです。

実は、なで肩の形の方がハイポジションの音が弾きやすいためだと言われています。

ですが300年の歴史の中で音楽の変化と共に楽器の形や音造りも変化していきます。
大規模なアンサンブルやオーケストラの時は力強い低音域を響かせ、
小規模なアンサンブルの時には低音部の旋律を演奏します。


次第にバイオリン属の歴史も発展していきます。
チェロの影響を受けバイオリン属との融合が進み、20世紀の初めには今の形になりました。

バイオリン属の影響による変化

サウンドホールがC字からF字に変化

現在のコントラバスにはF字孔と呼ばれる、サウンドホールががあります。
弦と弓を弾くことで、ボディを共鳴させて音を出しますが、その音を増幅させる事がサウウンドホールの役割となります。

実は最初は丸いかたちをした、C字孔と呼ばれるサウンドホールでした。
Cの形よりも表板の強度が保てることからバイオリンの影響を受けてFになったとされます。

最初は強度を保つ為、Sの形になっていましたが、ボディ内部にある表板と裏番のような刻みをつけたことで現在のFのカタチになったと言わてれいます。

弦の数が4本に

現在のコントラバスには5弦のものもありますが、エレキベースと同じ弦で4本が主流となりました。

エンドピンがつく

大型の楽器を演奏する時に、床に突き立てて楽器を支える金属の棒をエンドピンといいます。

エンドピンをさす床に音の振動を伝えて響きを増幅させるという効果があります。エンドピンの素材によって音の響き方も変わることもあるくらい重要な部品になります。歴史と共に大きな会場やたくさんの楽器と演奏することも増え、チェロの影響を受けてコントラバスにもエンドピンがついたと言われております。

またウッドベースと呼ばれ始めたのも19世紀末頃と言われています。ジャズやブルース、ポピュラー音楽にも使われロックンロールの創世記に活躍しました。50年代から60年代の音源はジャズだけでなくたくさんのポピュラー音楽シーンにウッドベースが使われていました。次第にエレキベースでの録音が多くなり、60年に入るとエレキベースが大半となっております。そして60年代にビートルズ・ローリングストーンズのロックバンドがデビューをしていき、エレキベースがポピュラー音楽の中心となってきました。

コントラバスの価格について

バイオリンの倍の大きさのコントラバスは高額なイメージをいだかれるのではないでしょうか?

その大きさや木材の使用量から、製作においては費用や労力も多くかかります。

バイオリンだと初心者用で4万ぐらいから、コントラバスですと安いもので20万ほどからとなります。

ですが最高額になると逆転します。バイオリンですと有名なストラトバリウスの世界最高額が13億とも言われています。コントラバスの場合は一番高額なもので3000万と記録されてます。

コントラバス場合、大きさが故に管理も難しくなっており、歴史は長い楽器ですが、バイオリンほど高額な名器が残っていないのです。
バイオリンサイズでは避けられた戦時中の火災などによる破損や楽器にかかる負荷の多さから、良い状態で古い楽器が残っていないことも原因です。

まとめ

旋律楽器を下から支える魅力的なコントラバス。

クラシックだけでなく、様々なジャンルで必要不可欠な楽器となっています。
縁の下の力もちと呼ばれるような、音造りの裏には様々な歴史的発展がありました。
音色だけでなくコントラバスのルーツにも注目してみると、さらなる発見があるのではないでしょうか?

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