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ベースのプロになるということ

pro

最近立て続けにプロを希望する生徒さんも増えてきて楽器も持ってない初心者から上級者まで、幅が広い教室になってきたな〜というのは嬉しいことです。
ただあくまで当教室はいわゆる「プロ育成校」ではありません。
うちに通ったから絶対にプロになれる!と保証もできません。
それは体験の段階でしっかりお話させて頂いているのですが、今回の記事ではもう少し深くまとめると同時にプロを目指すのであれば考えるべきこともまとめてみます。

目次

応援はするけどおすすめはできない

「おすすめはできない」これは僕が実際やってて思ったことなので、経験もしていない子に押しつけるのはよくないと考えています。
実力社会ですし、仕事なので知らないほうが楽しめたことや、したくないことをしなければいけない時も必ずきます。
それが辛くてやめる人もいるし、音楽そのものを嫌いになってしまうかもしれません。

収入も不安定です、この辺は学校にいっても教えてもらえないことがほとんどで、いざ社会にでたとき苦しむことになる方もいます。もちろん僕も苦しんだ側です。
生活は仕事をしないとできないけど、音楽は仕事じゃなくても楽しめる。
これだけは頭に入れておいてほしいですね。

友達も仕事仲間

この仕事をしていたからできた友達というのも僅かながらいます。
その中にはチャンスを見事に掴み東京に行った方、海外へ挑戦していった方もいます。
それは嬉しい反面「悔しい」といった感情がでて素直に喜んであげられない。こともないといえば微妙です。

逆にうまく行かず去っていった人もいます。一部の人とは音信不通になりました。
違う道でもそれなりにやってくれていればいいのですが・・・中には「自ら命をたつ」という方もいました、これはだいぶメンタルにきます。

残っているといえど、いろんな人がいます。
・仲はいいけど一緒に仕事はできない
・腕はいいけどちょっと・・・・
思ったこともあるし、きっと僕も誰かに思われています。そういった人間関係というのが辛い部分でもあります。

まずプロの基準はなにでしょうか?

大衆に認められてること?
大舞台に立つこと?
お金を稼ぐこと?
音楽の仕事だけで食べてること?

これは人によりさまざまな意見があります。 プロにもいろんな形があります。 宅録ミュージシャン
披露宴やパーティーでの演奏
スタジオミュージシャン
バンドマン
etc どんな仕事があるのかわからないのは、、、仕方ないです。 なんで汚い話ですが「どんな活動をお金にしたいか」を考えてみてはいかがでしょうか? 果たしてそれはお金になるのか?気持ち的にどれだけ挑戦したいか?
と同時にアマチュアでもできることがたくさんあるということも知ってみましょう。

僕の今に到るまでのこと

あまり明るいことではないのでサイトのプロフィールには詳しく書いていません・・・ここでは例の一つとして僕の経緯を書いて見ます。
明るくはないけど、もしかしたら笑えるかもしれません・・・

あだ名は「シニモル」
ただの部活バカでしかなかった高校時代

高校に入って部活を決めるとき、選択肢は「テニス」「ボート」「吹奏楽」という謎なチョイスでした。
リコーダーもろくに吹けなかった僕は、吹かなくてもいいコントラバスというものに感動し、熱中しました。

かごめ

リコーダーをはじめ管楽器は壊滅的に不向きでした。「トゥ〜」ってなんやねん!

朝練の存在を知ると7時には高校へいき、昼に部室が開けられることを知ると一人で昼練を始めます。
(弁当は2限目終わりに食べてる)
授業時間は睡眠時間です。いい感じに黒板がうまったころに起きては急いで板書して寝て、の繰り返しでした。
先生ほんとすみませんでした。(良い子は真似しないでください。)
授業中ほんとに死んでるかのように寝ていたことから「死にかけのモルモット」略して「シニモル」というあだ名をつけられます。
なんでモルモットなのかはわかりません。
不思議なことにクラスにも友達がいて関係は良好だったほうじゃないかと思います。

話がそれましたが()それだけ部活に熱中します。
冬にある全楽器を対象にしたソロコンテストというものがありまして、1年にしてコントラバス史上初の府大会出場を果たし2年では副部長とかの業務もそれなりにして充実した高校生活を送り卒業しました。できました。
こんな僕なんで大学にいってもどうせ勉強しないだろうと専門学校に行くと決め、「演奏のプロにはなれないと確信していたけど音楽には携わりたいよね」と裏方を志望します。

なんとなくプロ志望に囲まれた専門時代

これはプロフィールにも書いていることですが、僕はOSM(大阪スクールオブミュージック専門学校)の出身です。音楽の専門学校とは言え専科はイベント企画。舞台の企画や当日の人員配置とスタッフワークを勉強するために選びました。

雪谷

この時の知識が今講師として生きることになるとは、思いもしませんでした。

高校では少しベースをしていたのでサークルでベースを弾き始めたらバンドに誘われ、ミュージシャン科とレコーディングの授業に参加したり、知り合ったバンドを集めて主催イベントもさせてもらえたりとそこそこの行動力バカでした。

かごめ

これだけだと響はいいですが同じくらい失敗もしていろんな人に迷惑かけたり怒られたりしてたらしいで

学内の企業説明会で自作音源をもって自分を売り込むミュージシャン科の列に並び履歴書を持ってスタッフ志望したクレイジーさが評価され学外のコンテストイベントに携わらせて頂きました。
学生の身分ではできない経験をたくさんできた学生生活は我ながらよく頑張ったんじゃないかと思ってます。

20歳でプロを目指す!
周りより少し遅く教室の門を叩くことに

卒業後は先ほどの評価してくださった企業さんの元で半年ほどお世話になりながら、なぜかプロを目指すと言い出します。 なぜだ!!! 普通の社会人には向いてないと理解するのにそんなに時間はかかりませんでした、ある意味よかったことかもしれません。
結局は「自分にはなにができる?」という結論だったと思います。思えばベースばっか弾いてたし、なんでいわゆるかっこいい理由ではないです。すみません。

ちょうど本気でバンドをしたいという話に誘ってもらったのいい後押しをしてくれフリーターに、そして一人暮らしをスタートさせます。
一人暮らしエピソードは飲み会鉄板ネタがたくさんあるので気が向いたら訊いてださい(

ふわふわと数ヶ月過ごしたのち年末にしてようやく「これじゃあかん!」と師匠の門を叩きます。
そのころにはミュージシャン科の同級生には東京と往復している売れっ子がいたり、ツアーしてるバンドマンがいたりで劣等感しか感じてませんでした。今思うと焦りのようなものがあったんだと思います。

「多分これは間違いないだろう」から始める

「プロになるぜ!」と教室に通うときめた当時、どうやって生計を立てるとか?どんな仕事があるのか?どれだけできればプロと呼べるのか?なにも知りませんでした(専門卒のくせに)
いろいろ「よくわからない!考えてもわからん!」ので「これは間違いないだろう」という目標を作ってみたのですが・・・これが若気の至りでしかありませんでした。
「門下で一番になる」とかなんなら「師匠から仕事うばってやる」みたいなろくにセッション曲最後まで弾けないくせに(汗)よく思えたもんです(笑
それでも目に見えてわかりそうな目標があったからこそ、それなりに頑張れたんじゃないでしょうかね。

かごめ

人と比べるのはよくない。というのはしばらくしてから気づくことに汗

25までに音楽で生計を立てる!
とにかく動いたフリーターライフ

僕の両親はこの仕事をするに対して反対どころか応援派で(もともと吹奏楽部でできたカップルだそう)これはとてもありがたいことでした。
「30までは頑張ってみな」と言ってくれていたんですが「25まで!できなけりゃあきらめる!」と頑なに言い「止まれば死ぬマグロ」のような(?)行動力でいろいろやっては落ち込んでやけ酒の繰り返しをしてました。

このマグロメンタル(?)がいい風に動いてくれ、実力に見合わずいろんな経験をさせて頂きました。
教室イベントにも関わらせてもらうようになり、22歳ごろからアマチュアを中心に一握りのプロからも認めてくれる人が増え活動も充実してきます。
音楽の才能はあるかどうか・・・という感じですが「人に恵まれる才能」というのは確かにもってると言える自信があります。

バンドは解散するし仕事はバイトやら派遣やらいったりきたり、と落ち着きを知らない生活でしたが少しづつ認めてくれる人が増えそれなりの収入になり24でだいぶ無理やりですが個人教室を開業し今に至ります。

あと少し、というとこで鬱に

24になるかならないか、というあたりで体に少しづつ異変起きます。起きれなかったり寝れなかったり、移動に時間がかかるといったとこですかね、「行動力がある」これは言い風に聞こえがちですが反面「動いてるだけ」「目立ちたいアピール」などといった聴こえない悪口(一部思い込み)が聴こえてくるようになりました。
「頑なに言った期限まであと一年、それまでにになんとかせねば・・・!!」という焦りやプライベートのこじれ、練習も思うほど上達がみられない、演奏もうまくいかないしという時期がありました。
いつしかライブの帰り道では「今日の演奏、ベース僕じゃなかったらもっとよかったんだろな〜」と思うようになり、気づけば身体行動性障害といういわゆる鬱になります。
病院に行くきっかけはライブ中に訪れました、本当にトラウマものでライブ中に体が動かなくなり無能になるというものでした。マグロメンタルではなくストレスに弱いし止まれば死ぬ、マンボウみたいなメンタルだったんだとこの頃思い知ります。

かごめ

そろそろ何言ってんのかわからない(けど本当に思ってた)

音楽に潰された、同時に救われた

「ミュージシャン向けな人間じゃないんだな」という自覚はあります。
それでも今もなお続けているのは反面音楽に救われた部分もあるからと断言できます。

面倒を見てくれたミュージシャンの先輩方、自虐率が増える一方だった講師のレッスンに通ってくれる生徒さん。
結果ではなく「頑張っている」ということを知ってくれている家族や友達。
音楽は「自信を持つためのツール」でもあって演奏活動を一時止めたこともありましたがなんとか復帰までできました。
最近ちょっとづつまた演奏のペースが上がってきて安心してます(まだまだ安心しちゃだめですが)

それでもプロを目指したい!という方

ここまで自分のことを書いたことがなくてノスタルジーに浸りながら書いているのですが(笑
僕は結果的に今のように仕事にできていますが、うまくいかず去った人も見ています。
正直僕が見たくないという部分もあり「プロになりたい」はおすすめしていません。
それでも「目指したい!」というなら止めもしないし可能な限り応援したいと思っています。

雪谷

ここから先は自戒を込めて(汗
プロ志望の子へもっと僕もこうすればよかった!と思うことや考えてほしいことを書いていきます。

プロになって、なにがしたいですか?

活動していくと将来のことやお金のこと、思ってもないことに囲まれ自分がなにをしたかったかを忘れてしまうときが来ることもあるでしょう。
プロになることが目的になってしまってはいけません。ポケモンで言えば図鑑を完成させる為に旅に出たのにポケモンのレベルあげに夢中になり四天王にすら挑まないような人になってしまいます。
プロになることではなく「プロになってしたいこと」を明確にしておきましょう。本当に辛いときにそれがあればもう一踏ん張りできると思います。

一応僕にもあります。あったので、踏ん張れました。内容までは恥ずかしいし理解されないと思うので興味がある方は頑張って酔い潰してくれたら吐くと思います。

仕事をするための「若さ」の使い方

(僕も若手の部類にいますが)仕事をする上で若手が一番武器にできるものは「若さ」です。
年齢を重ねれば重ねるほど使えなくなるキャリアとは真逆のものですね。
特に女の子は、それだけで仕事が取れるケースもあるでしょう。
が、若さの使い方を誤るとあとでどうしようもない後悔をします。(改めて自戒を)
そこで、魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよという格言を知っていますか?

僕も意識してるつもりで(できてはないけど)若いうちに「先輩の仕事の作り方」とか「大先輩の敬い方」とか勉強していけたらと思っています。

ギャラはもらいましょう。

お金の話はとくにややこしいです。世の中には「まだ若いしギャラなくてもいいよね」「いい繋がりができるからなしでお願い」なんてツッコミどころしかない言い回しで仕事(という名のボランティア)を依頼してくる人もいます。
僕は相手がよっぽど自分の人生に影響を与えたような人であるとかのことがない限り受けていません。
交通費だけでもいいので必ずなにかしらはもらいましょう。それで断たれるような関係は断つべきです。

少なくとも僕より「いい」
ベーシストを目指しましょう

間違っても「僕より上手い」は目指さないこと。「上手い」でいえばもっと演奏でトップレベル、それ以上を目指すべきです。
「いい」というのはまた違う意味でして、詳しくは自分で考えてみてください。
僕はひたすら行動力アピール(?)したり、エフェクト多様しようとしたり、ライブではエレキとウッドを毎度持っていったり。と師匠や同業の先輩・同期、周りができないこと・してなさそうなこと・したくなさそうなことを探しては取り入れ、失敗してきました。
自分が仕事を取れるというのはだれかが仕事を失うということでもあります。残酷かもしれませんが生き残る為の努力は可能な限りやりましょう。

そしてさらに余談ですが、
講師というのは同時にライバルでもあると思ってください。
そんなにやわな活動はしていませんし(僕にも生活やプライドがあるので)簡単には抜かせないつもりです。ぜひ本気で頑張りたい生徒さん、ぜひ噛み付いて欲しいです。

まとめ

今回はなかなかの長文になりました。結論やっぱりプロ志望はおすすめしないということです。
そんな記事なんで『よかったことは控えめに』書いています。興味があれば聞いてみてください。
ここまで書いても頑張ってる子は応援したいし、僕も一緒に頑張れたらいいな。と思います。

最後に、これは生徒さん全員に言いたいことですが「しんどくなったら言いましょう」
本来音楽はストレスを抱えながらするべきではありません。

なので本当に辛い時は頼ってください。
なにはともあれ、共に頑張っていきましょう。

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